奈良でデザインを考えるなら

この本の編集前に、より多くの考え方を収集するため
一般の方からの奈良のデザイン資産の写真投稿が行われました。

「奈良」と「デザイン」がどうやって繋がるのか?

最初は理解できずにいたのですが
投稿写真を見て気づくことがありました。

写真の多くは、姿の奥に潜んでいる
「気配(けはい)」があるのです。

(これは私だけでなく他のスタッフも感じていました。)

*受賞作品は本書冒頭に掲載しております。

ここからは個人的な解釈になるのですが…

それは奈良の人や風土が1300年前から受け継いできた
「心の姿」なのかな…と感じます。

それが奈良を形成してゆくデザインなんだとしたら

今の私たちのデザインの現場で発生する
「感じること・伝えること」に
重要な役割がある気がしてきました。

奈良でデザインを考えるなら

一番は奈良に行って感じること。

もしくはこの本の扉を開いてみてください。
奈良の気配を感じていただけるのではないでしょうか。

エディトリアルスタッフ 秋田佳栄

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かけらを集めて

ライティングを担当させていただきました譽田です。

一年前の今頃は、夢中で奈良県内を疾走しておりました。

ゴールのありようが、皆目見当がつかず

本当に、ただただ、手探り状態の中

ニオイのあるほうへ
感触のあるほうへ

心と体を向けていた日々。

例えば「ニホンミツバチ」というキーワード。

十津川村の道の駅に突然電話をかけ、おばちゃんに

「怪しいものじゃないから、生産者の連絡先を教えてほしい」と

半ベソをかきながら懇願。

例えば「金魚」というキーワード。

大和郡山にある柳沢文庫さまの書庫で

たまたま手に取った本の中で見つけた金魚の浮世絵。

「これを絶対紹介したいのよ!!」

と所有者を探しまわったあの日。

パズルのピースを集めるように

私たちの感じたものをひとつひとつ、拾い集めたのです。

現在、遷都1300年の節目で、多くの人々が奈良を訪れています。

期待せず訪れた奈良が、予想に反して心に馴染み

虜になる人が多いと聞きます。

奈良を覆う

気難しくて、武骨で、素朴で、それでいて、温かい

空気が、人の心を離さないのかも知れません。

オススメは、この本で集められたピースをたどる旅。

より深く、より鮮やかに

あなただけの奈良が、心の奥深くに

育ち始めるはずです。

そんな、本として可愛がって頂ければ、幸いです。

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仏像の手

仏像が表現している手には、様々な意味合い・教えが表現されていることをご存知でしょうか?

奈良にはあまたのすばらしい仏閣があり、有名な仏像もたくさんおさめられています。

今回、こうした土地柄をふまえ、仏像の表現する心もご紹介したいとのことで、
奈良国立博物館におさめられている「印相」を掲載させていただくべく、
制作者でいらっしゃる仏師 江里先生の元へ写真掲載の許可をいただきに伺いました。

*印相は、本書77ページに語る手として掲載しております

初めて伺うその神聖な職場は、ピンと緊張感のある雰囲気のなか、たくさんの道具や
これから形作られると思われる木が用意され、作務衣姿のお弟子さんが粛々と制作に
励んでいらっしゃいました。

掲載させていただいた印相は、人はこうも自然が生み出すような曲線を立体で作り出せるものなのか、と
驚いてしまうほどきれい。
この場所を拝見させていただくことで、その丸みが持つ美しさを、より一層”実感”することができたように
思います。

仏様への思いを、仏像という形にする。
今も昔もかわらない、人の思いの歴史を感じられる場所でした。

事務局 岩渕

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住所のある古墳

こんにちは今回撮影で参加させて頂きました、ファトグラファーの松川唯と言います。
印象に残った所として、私は住所のある古墳を選びました。

そこは法隆寺の近く、斑鳩町にありました。
個人で古墳を所有されているご自宅を目指し
閑静な住宅街を進んで行くと・・・

一角に他とは空気感の違う家があり、大きな庭の先に木の
覆い茂小山を見つけました。

早速訪ねてみると、やはり庭先の小山が春日古墳との事。

古墳の見える縁側に案内して頂き、機材を準備しながら
この古墳の持ち主である安田さんとお話する事が出来ました。

古墳の管理には多額の費用がかかるし、知らない人が古墳を見に
ご自宅にも訪ねられると・・・

個人所有の古墳なんてスゴい!!と単純に思っていた私ですが、
色々な個人ではすまない問題もありながら共生しておられるんだと
感じました。

いよいよ撮影させて頂こう!と、縁側に座った所、通常より柱の少ない事に
気付きました。
安田さん曰く、「古墳を鑑賞しやすいように」この様な設計になっているとの
事。

小雨降る中、古墳と対峙し、現在抱えている問題と、過去この古墳でどんな事が
行われたのか?という歴史ロマンに挟まれて。

とても静かな所で、雨の音を聞きながら撮影できたことに、この神秘的な空気感が、写真に写る事を祈りつつ・・・。
帰り道、カマキリをみつけました!!

こういう出会いも、取材の醍醐味かもしれせんね。

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果無山の取材日記

普段はパソコンの前での仕事がメインだが、

取り分け、ガタイもよい方で、髭も生やしていることから、

山ごもりに誘われた。

もとい、

この本のスタートとなる取材、

果無山の朝日と夕日の撮影がメインのメンバーとして選ばれた。

季節は、まったくもって朝日を拝もうなどとは、ほど遠い七夕を挟む、3泊4日。

確率の低い晴れ日和を期待して、

ディレクターの宮川氏を含め、4名のパーティでの奈良の最果て、果無山の取材日記であります。

まあ、3日もあれば、どこかで晴れるだろうなんて喜楽に考えていたが、

その真反対の結果となった。

近年まれにみる、大豪雨。

取材のために押さえておいたコテージは、川の側。
天気がよければ、ベランダのテラスから釣りができるくらいの最高のロケーション。

のため、豪雨とくれば、最低のロケーション。

最後の日は、とうとう近隣の小学校での宿泊となった。
次の日の正午まで、土砂崩れのため村からもでることも許されないといった有様。

詳細は、本文にも書かれているので、ここではふれないが、
あまりにも、希少な経験をさせていただいた撮影。
言いかえれば、この本のスタートは、幸先不安ともとらえることができたが、そこはポジティブに考え封印した。

この取材道中、もちろん朝日、夕日以外にも、取材を行ったのだが、
熊野古道のルートでもある、杉の原生林に囲まれた、神秘にみちた玉置神社。

早々、バードウォッチャーのなかでもお目かかれない野鳥アカショウビンとの遭遇。

地元の方が我々に道を譲るために、くねくね山道をバックで峠越えまでして頂き、
なおかつあまりににも、早すぎて見失ってしまったこと。
道をゆずるためのドライビングテクニックだけにとどめておくのはもったいない逸材の発見。

同行したスタッフが野生の山椒採取。調理し、次の日の握り飯にしてくれたとこと。

自炊での生活を余儀なくされたため、
山で自炊の1番人気!!カレー。
次の日、くたくたな体は、カレーすらも面倒くさいからと寄せ鍋。

そして、ボクだけが見たであろう果無山での
幻の日本オオカミみたいなのと遭遇。

奈良は奥深く、神秘的であり、ユーモアに溢れてる。

完成した本を読んでそう感じる。

奈良のサブカルチャーがまとまったかのような

『奈良でデザインを考えてみました』

奈良の方も、そうでないかたも楽しめる仕上がりです。必読ではないでしょうか??

よろしくどーぞ。

エディトリアルスタッフ 吉田亮太

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